そうそう、落ち込んでいるのでした。すずむし君は。落ち込んでいるような風味なのだった。ちゃくちゃくとサアビス残業をかましつつ分析機械が終了するのを待ちながらそうだ今日は気が乗るからあれとあれもまとめておこうと思っていた矢先に「分析機械はあとやっとくからほかの仕事終わったら帰っていいよ」と上司に言われてテンションがた落ちだったのだった。それが深い意味を持たずただ気遣いのセリフであろうと深読みしてしまう性質なのでそうか私のような下っ端が残業しているのはこれ見よがしに思われたりするのだろうかと激しく凹んだのだった。

落ち込んだままお先に失礼しますと事務所を出て更衣室で10分くらいうずくまった。別に泣いたりはしなかったけどうずくまったままぎゅっと目を瞑っていた。それからのそのそと着替えて外へ出たら風が強くて寒かった。考えすぎなんだよなーと呟いてからでもそれが本当かもしれないと思ったりもした。田舎なので広い空に星がいっぱいみえた。北極星を見つけられなかった。