ラーメン考

と思ってたけど、意外と普通に働けた。
午後、空調の効いていないところでずっと作業してたら、思考できなくなってきた。その状態で、上司としていた話。
最近脂っこいものを欲しなくなったが、定期的にラーメンを食べに行ってしまう、という話。
それは最早「ラーメンを食べたい」からラーメンを食べに行くのではなく、「ラーメンを食べたい」という欲望を満たすためにラーメンを食べに行くのだ。ラーメンを食べて、その味に満足するのではなく、ラーメンを食べたという事実に満足するのみだ。味覚はすでにラーメンを求めてはいない。以前に食べたラーメンの味と同じでも、変わってしまった味覚は以前と同じようにはそれに感動を覚えない。ただその以前の感動がいつまでも「ラーメンを食べたい」という欲望を引き起こすのだ。だから俺はラーメンを食べているのではなく、ラーメンを食べた思い出を反芻しているのみだ。
ひどく真面目に語っていた。きっと上司も暑さにやられていたに違いない。