茶店で「魍魎の匣」を読む。それほど店が混まなかったので居座ってみた。店内でも寒くて上着を着たままで居た。

7,8年前まだ学生だった頃、友人からのメールだか手紙だかに、「理由なんて後付けの言い訳だ」と書いてあって、どういう話の流れからそうなったんだったかも思い出せないけど、その言葉は印象深くてずっと私の中に残っていた。

本の中で京極堂が言っていたのは犯罪の動機づけについて、だったけど、私はその子の言葉を思い出した。そしてそれはもっと一般的にも当てはまるんじゃないかなあと思った。私にはどうして、と訊かれても説明できない(できにくい)ことがたくさんある。私が単に曖昧に生きているだけ、なのかもしれないけれど。