ラーメン考・再び

8時半起床。
とても寒い。観念して、いちばん冬用の上着を出す。むむーん、今これを着てしまったら、この先何を着ればいいのだろう!と無駄に先を見越した心配をしてみる。
お外に出るのがいやで仕方ない日。
朝、自転車をこぎながら、以前ひとが話していた戯言をふと、思い出す。

それは最早「ラーメンを食べたい」からラーメンを食べに行くのではなく、「ラーメンを食べたい」という欲望を満たすためにラーメンを食べに行くのだ。ラーメンを食べて、その味に満足するのではなく、ラーメンを食べたという事実に満足するのみだ。味覚はすでにラーメンを求めてはいない。以前に食べたラーメンの味と同じでも、変わってしまった味覚は以前と同じようにはそれに感動を覚えない。ただその以前の感動がいつまでも「ラーメンを食べたい」という欲望を引き起こすのだ。だから俺はラーメンを食べているのではなく、ラーメンを食べた思い出を反芻しているのみだ。
2006-08-17 - すずむしの日々

これを語るのを聞いていたときは夏で、あまりの暑さに冷静な判断が出来なくなるほどの職場にある施設内で、だからしみじみと語られたわけではない。けど、なんとなく、そういう欲求の湧きかたって、年をとるごとに増えるんじゃないかな、と思った。新しいことに挑戦しなくなるのは、過去の素晴らしかった幻影を追いかけているんじゃないかということ。
おお、あまりに寒いのでじーっと考え込んでしまうではないか。