こんにちは、こんにちは

建物を出て、少し冷たい空気に気付く。虫の声、なにがそんなに懐かしく感じるのだろうか、できることなら泣きたくなる。幸福を近く思う。そうだ確かにあのときも、同じ空気を想った。そうか、だとしたら、10年前も10年後も、たいして違いはなく、同時に存在するのだろう。時間も場所も、外側の変化は関係なく、ただ内側に、ある、一点から拡散する感情。