今までに読んだ本とか、誰かの話とか、聞いた音楽の断片がくるくると浮かんで去っていく。さまざまな場所で発露、集中、まとまらない。
理性はたいしたものだな、と思う。
酸素が足りてないのかな。
不意に正気が戻る、缶コーヒーの香りで、
目を閉じて再び開けたら、今は何年だろう?
洗脳するなら、今がチャンスだと思うよ、諸兄。こんなにセキュリティが甘い。第一のゲートは、最初っから開いてる。
誰か話をしようじゃないか。他人の理性で、自分を保つ。野放しの思考は、ビッグバン。
「帷子を裂いて白銀色した空の底から、僕ら、息の根をまさぐるんだ。握る葦と、羽毛の轟音、固有の鼻歌」